ブランドは、厳しい競争環境の中で勝ち抜くための経営ツールです。
「人口が減少し市場が縮小してしまった。」
「嗜好が多様化し一つ一つのセグメントが小さくなりすぎてしまった。」
今の日本市場は超成熟市場と言われます。小さくなりすぎたマーケットの中でこれまで通りのビジネスを行っていても、十分な売上・収益が得られない危険性が高まっています。競争軸を変え、新たなマーケットを切り開くような、ドラスティックな価値創造を行うには何が必要なのか?今回は、新たなマーケットを切り開くような、強いブランドを創るためのポイントを紹介したいと思います。
■ 未来を見据える
~先端にいる人の生声をベースにしたブランド一次仮説の創造~
一般的な定量調査やグループインタビューでは、多くの場合、現時点のマーケットの状態しかわかりません。新たな価値創造を行うには、定量調査などの多くの人の声の集合体だけではなく、マーケットの先端にいる人々の生声に耳を傾ける必要があります。例えば、ファッションであれば雑誌編集者やスタイリスト、食品であれば料理研究家など、自身のブランドが関係するマーケットの先端にいる人々の生声に耳を傾けることが、これまで以上に重要になってきました。これらの先端にいる人々の生声をベースに未来を見据え、素早く一次仮説を創りましょう。
■ 脳を広げる
~クリエイター脳と経営者脳によるブランド二次仮説の創造~
「広告代理店に頼んでイメージは良くなったが売り上げにつながらない。」「ビジネスコンサルタントに頼んで課題は整理できたが具体的な変化に結びつかない。」感性だけでは継続性が無く、論理だけでは魅力が足りません。魅力的かつ継続的に儲かるブランドを創るためには、クリエイター的思考と経営者的思考の両方が必要です。
一次仮説を魅力と事業性の両面からブラッシュアップする二次仮設の検討においては、クリエイター思考と経営者思考が両方含まれるよう、社内外の様々なメンバーによる適切なチームを構成し、検討を進めましょう。
■ 確認する
~妥当性・差別性を考慮した仮説の収束~
広がった脳で考えた二次仮説を妥当性・差別性の観点からふるいにかけます。一般生活者を対象に妥当性調査を行っても良いのですが、人は見たことの無いものについてはなかなか答えられません。「未来を見据える」段階で声を聞いたマーケットの先端にいる人々に再度意見をもらう(妥当性を確認する)ことや、自社の強みの活用度合い・競合と比べて参入障壁を築ける可能性などを考慮し、ブランドが今後取るべき方向性を収束させます。
■ 素早く具体化する
~スピード感のある施策の実施と検証~
変化が早い現代の市場環境においては、一つの絶対的な正解を追い求めようとするよりも、修正を前提として素早く施策を実施することが重要です。生活者とブランドの結びつきを強める象徴的な施策を次々と具体化していく。その結果について素早く効果検証を行い、次のプランに生かしていく。ブランドの根幹となる軸は一度決まれば守るべき物ですが、具体的な施策については、効果検証に基づき、スピード感を持って次々と更新していく必要があります。
市場環境が大きく変化していますが、変化はチャンスでもあります。変化に対応するために必要なポイント、強いブランドを創るために必要なポイントを理解し対応すれば、きっとあなたのブランドは大きな成功を手に入れられるのではないでしょうか。
博報堂ブランドコンサルティング プロジェクトマネジャー 篠原 光義
(博報堂BCニュースレター 第10号掲載)