Hakuhodo Brand Consulting

ブランドは、厳しい競争環境の中で勝ち抜くための経営ツールです。

ビジネスコラム

アラフォー世代のマーケティング攻略法

2009年11月25日 00:00

前回に引き続き、アラフォー世代についての話です。今回は、デフレ化傾向の続く日本の消費市場の救世主となりうるアラフォー世代の攻め方を3つの視点からご紹介します。

1つ目の視点は、アラフォー世代の高級志向です。
アラフォー世代はいわゆるかつてのHanako世代であり、バブル時代に一流ブランドや高級レストランの消費を経験した「バブル経済洗礼世代」です。海外旅行や短期留学などに積極的に出かけていった世代であり、学生時代から欧米の一流ブランドや高級レストランなどを体験してきた人たちです。従って、上質で高級なモノやサービスの良さを知っているため、普通の品質では満足できない世代と言えます。昔から慣れ親しんでいるお気に入りのブランドを、行きつけの百貨店で気持ちよく買い続けている人が多いのもこの世代と言えます。最近発刊された『アラフォー!―これからの女性の生き方と消費―』(三浦展氏+アラフォー世代研究会著)の調査でも、この世代の百貨店やアウトレットモールの利用度が高くなっています。百貨店へのファストファッション系の出店が増えてはいますが、アラフォー世代が期待する上質で高級なサービスの維持も、収益維持にとって重要です。

2つ目の視点は、アラフォー世代の住まいや資産です。
同じく『アラフォー!』にあるデータによると、東京のアラフォー世代の実家は、東京の23区内(環八沿い)やJR線(中央線・総武線・横須賀線など)沿いの東京近郊に多くあるそうです。つまり資産を持つ親が都内に住んでいて、娘や孫のお世話を手厚く支援してくれる世代と言えます。特に、出産したばかりで育児に追われている専業主婦の女性でも、両親から養育費や住宅費などの生活費を支援をしてもらっている場合が多く、名目上の所得水準だけでは見逃してしまう有望な潜在顧客である可能性があります。
未婚のまま親とパラサイト同居をする世帯が増加しているそうですが、この人たちは所得以上にゆとりのある生活を送っています。親が保有していた都内の土地や建物をアラフォー世代を引き継ぐことが多いので、一気に資産家となるアラフォー世代も多いはずです。
このようなニーズを持つアラフォー世代に対しては、家から外への解放を確信してくれるサービスが期待されます。例えば、お掃除や家事代行のサービス、ペットのお世話、ベビーシッターなどの時間と手間の代わりになるサービスのニーズが高まるはずです。

最後の視点は、アラフォー世代の仕事です。
アラフォー世代は社会人となるタイミングで1986年の男女雇用機会均等法が施行された世代であり、女性の高学歴化と、男性と対等に働くという意識を自然に持ちえています。、アラォー世代以降、団塊ジュニア世代のライフコースが分岐される先鞭となったと考えられます。それだけにアラフォー世代のライフコースは多様です。
結婚後もそのまま働き続けたアラフォー世代、子育てに追われていた結婚・出産を経たアラフォー世代、すでに子供から手を離せるまで育てたアラフォー世代などが、自宅から解放され、家の外の社会に戻り始めています。そんなとき、自分自身の美に対する意識が高いアラフォー世代は、若い同僚のいる職場に自然になじめるファッションやコスメ、フィットネスやアンチエイジングといった外見と内面の両方を磨くことを求めると考えられます。同じく『アラフォー!』の調査によると、資格取得や独立・ショップオーナーといった「一人立ちできる」「人に指示されない」仕事を選ぶ傾向があるそうで、サービス業の働き手を求めている会社や、資格や事業知識を学ぶ教育サービスなどのニーズが高まるはずです。

このように、アラフォー世代の世代特性を刺激することによる消費の可能性や、将来的な団塊ジュニアの特長をもつ世代として、先行指標的なマーケティングとしてアラフォー世代は十二分の魅力を持っていると考えられます。


博報堂ブランドコンサルティング 執行役員・シニアマネジャー 吉田 芳弘
(博報堂BCニュースレター 第12号掲載)